2008年11月18日 星期二

コラム---台湾有情 静かな抵抗

台湾人は自分一人では何もできない。国際社会はそう思うだろう。阿扁(ア・ピエン=陳水扁前総統の愛称)は『台湾の恥』を世界にさらした」陳前総統が身柄拘束されたその日、仮眠をとろうと支局から帰宅する途中、タクシーの運転手がこぼした。

 返す言葉もなかったが、政局が混沌(こんとん)とする中、心強く思うこともある。総統府近くで続く学生たちによる座り込み運動だ。

  中国・海峡両岸関係協会の陳雲林会長の訪台で、独立派による激しい抵抗運動が起きた。この際に警察の一部取り締まりに「暴力行為」があり、これに抗議する として名門・台湾大学の学生を中心に始まった。人数こそ少ないが、様子はネット中継される。社会的なうねりとなるかは未知数だが、地方の学生が加勢する広 がりもみせ始めた。

 台湾でも若者のノンポリ化は著しい。政治対立に巻き込まれるより、将来の豊かな生活を手にする方が大切だ。そう考える 人が増える中、彼らの抗議行動は意外かつ新鮮に映った。しかも真剣な横顔からは、この地に根付き、まだ見えぬ将来をつかみ取りたいという思いが伝わってくる。

 彼ら若者は自嘲(じちょう)を込め自らを「苺(いちご)族」と呼ぶ。見た目は美しいが、人が触れるとすぐ傷む軟弱世代という意味だそうだ。だが、汚名を返上するためにも彼らは可憐(かれん)で力強く実る野イチゴから、抗議活動を「『野苺』運動」と名付けた。

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